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ADHD【注意欠陥・多動性障害】とは?
発達障害のひとつです。Attention Deficit Hyperactivity Disorder の頭文字をとったもので、
日本語の名称は「注意欠如多動症」といいます。
注意散漫で忘れっぽい(不注意)、落ち着きがなくてじっとしていられない(多動性)、深く考えずに突発的な行動をとる(衝動性)などの特徴があります。
発達障害
- 知的障害(知的発達症)
- 自閉症スペクトラム(自閉症スペクトラム症)
- ADHD【注意欠陥多動性障害】(注意欠如多動症)
- 学習障害【LD】(限局性学習症)
- 発達性協調運動障害(運動症)
ADHD【注意欠陥・多動性障害】の特徴
ADHDには、多動性、不注意、衝動性といった主に3つの特性があり、絶えず動き回る、何度言っても態度が改まらない、突然衝動的な行動をするという症状があらわれます。
このような症状が12歳になる前に6ヵ月以上継続して、幼稚園や学校、家庭などの2か所以上でみられる場合に診断として疑われます。
しかし、3つの症状すべてがあらわれるわけではなく、多動性だけあらわれるということもあり得ます。
じっとしていられない(多動性)
- 授業中でも立ち上がって歩いてしまう
- 気になる事があるとすぐそちらに歩き出してしまう
- 座っていても落ち着きがなく、ソワソワしているように見える
- 姿勢が悪い
- 喋り出すと止まらなくて、一方的に話してしまう
- 話の内容がころころ変わる
- 授業中でも思った事をしゃべり続けてしまう(衝動性と同じ)
- 人の話に割って入る(衝動性と同じ)
もし多動性という言葉がなかったら「元気で活発な子」ともいえるのではないでしょうか。
子どもは元々、動きが多く長い時間はじっとしていられないものです。
それは子どもの心臓のポンプ機能がまだ発達していないため、下半身に流れてきた血液を容易に心臓に送り出すことができず、動き回ることで足の筋肉を動かし、その勢いで下半身の血液を心臓に送り返しているかならとも言われています。
問題となる多動とは
「授業中は自分の席に座りましょう」という指示を繰り返し時間をかけて伝えても、あまり改善されていきません。
多動性の症状は、動いていないと気分が落ち着かないだけでなく、無意識のうちに身体が動いてしまうという事もあり、自分で抑えることが難しい場合があります。
かなり意識すると、ごく短い時間はじっとする事もできますが、本人はとても辛く感じているはずです。
忘れっぽいのと集中できない(不注意)
外からの刺激ですぐ気がそれる
- 音などに簡単に反応するため、目の前のことに集中できない
- 集中と不注意の間で揺れ動いている
- 何かに集中していると、話しかけても気づかないことがあり、中断が苦手
細かいところまで注意を払わない
- 漢字やひらがなの【点】や【はね】を正しく書かない
- 文章を書いていて字が抜けてしまう
- 計算問題で、単純な計算ミスをしやすい
必要な物をなくしてしまう
- ふでばこ、うわばき、リコーダーなど必要な物をどこかに忘れてくる
- 鉛筆や消しゴムなどを何度も無くす
- 物を置いた場所を忘れてしまう
いつもぼーっとしている
- 興味関心の範囲が狭く、自分の好きな事を考えていることが多いため、上の空でいるように見える
- 相手の興味関心に気を向けないので、相手は無視されたと思ってしまう
問題となる不注意
という症状が6ヵ月以上継続するときに可能性を考えます。
脳の前頭前野の重要な働きのひとつで、作業や動作に必要な情報を一時的に保持しながら、活用する機能。作業記憶ともいいます。この機能は無意識のうちに絶えず働いて、私たちの判断や行動全般を支えています。
ワーキングメモリがうまく機能しないと、場違いな行動や忘れ物などにつながりやすくなり、生活や勉強面での困難が増えていくことになります。
ADHDの特性を持つ子の中には、このワーキングメモリが上手く働かない子がいると考えられています。
考える前に行動してしまいます(衝動性)
- 順番を待つのが難しい
- 列に並ばずに横入りをしてしまう
- やりたい気持ちが強いために、ルールを無視してしまう
- 思いたったらすぐ行動してしまう
- 気になったものは触らずにはいられない
- 優先順位をつける、計画を立てることが苦手
- 思いついたことをすぐに話してしまう
- 指名されていないのに答えてしまう
- 知っていることを言わなければ気が済まない
- 思い込みで喋ってしまう
自分の感情や欲求のコントロールが難しい子どもがいます。
その子なりの理由はあるのですが、周囲からは突然の行動に見えてしまいがちです。
ここでいう衝動性とは「衝動買い」を思い浮かべるとわかりやすいと思います。
衝動買いをする時は「やめておこうかな」という意識は働きにくく、欲しいから買ってしまいます。
それと同様にADHDの特性を持つ子は自分の感情や自分の発言、行動にブレーキがかけられないために周りから見ると突然の行動に見えてしまいます。
ADHDと自閉症スペクトラムの違い
ADHDの発症率は年々増加していますが、自閉症スペクトラムとADHDを併存しているケースは珍しくありません。
人の表情を読んだり、ルールを理解することはできるのですが、自己コントロールが効きにくいために適切な行動を速やかにとれない場合があります。
人の表情が読めず、ルールもわからないために適切な行動がとれません。
併存の問題とは別に、鑑定の難しさの問題もあります。
適応行動がすぐにとれないという点だけを見ると、自閉症スペクトラムと似ているために、幼いうちはどちらの障害か見分けにくい事が多いのです。
そのため幼い頃にADHDと診断を受けた子どもが後に自閉症スペクトラムとわかったり、逆に自閉症スペクトラムと判断を受けた子どもが後にADHDとわかったりするケースもあります。
ADHDの子への配慮のポイント
【必要な物は一緒に確認をする】
自ら「忘れ物をしないようにしよう」と注意することが困難です。
時間割や持ち物、連絡帳のメモなどは親御さんも一緒に確認しながら揃えましょう。
忘れ物をしないように根気強く伝えていくことが大切です。
【刺激をできるだけ少なくする】
見えるモノ、聞こえるモノから絶えず刺激を受けてしまいます。
気が散らないように装飾のない静かなスペースを確保してあげましょう。
同じ姿勢で座っていることが続かないよう、子どもを飽きさせない工夫も大切です。
【何かしら役割を持たせる】
授業中はプリントを配ってもらうなど、身体を動かせる何かしらの役割を持たせるようにしてみましょう。
移動の時などは、勝手に行動しないようにグループで移動させたり、人数を確認する係になってもらったりするのも良いでしょう。
【動ける時間を設ける】
じっとしていることが苦手なので、多動性を抑えようとするのではなく、「動ける保障」をしてあげましょう。
授業中でも、ときには課題の途中で小休憩をはさんだり、用事を作って教室から出してあげたりしても良いでしょう。
【思い出して気づかせる言葉がけをする】
「あれ?まてよ・・・」といった自制力や感情をコントロールする力が弱いので、子どもが行動する前に「順番に並びましょう」「飛び出さないで、歩いて行こうね」などと声をかけて正しい行動を伝えたり、事前に想定される混乱をなくしたりする工夫をしましょう。
【焦らずおおらかな気持ちで】
本人や友達のケガ,事故につながらない行動であれば、子どもが自分に自信を無くしてしまわないように、些細な事はできるだけ無視することも必要です。
一呼吸おいて、暖かい目で見守ってあげましょう。
【成功体験を増やす】
子どもは褒められて成長します。
何かができたり、好ましい行動ができたりしたときには、その場ですぐにみんなの前で褒めてあげましょう。
周囲に認められ、「できた!」という体験が自信となり、次へのやる気につながります。
【注意するときは1対1で】
注意するときはなるべく他の子どもの目につかない場所で、短く簡潔に注意しましょう。
こうすることで、本人の自己評価も下げずにすみますし、周囲にその子のマイナスイメージがつくことを防げます。
さいごに
最期まで読んでくださってありがとうございます。
この記事ではADHD【注意欠陥多動性障害】の特性と関わり方のポイントを紹介しました。
私の息子は2歳前に自閉症スペクトラムと診断されましたが、日常生活を見ていると、だいぶ落ち着きがなく、突発的な行動も結構とるので、歳を重ねていくとADHDの診断も出るのではないかと思っています。
なのでまだまだADHDについて、発達障害については勉強することがたくさんあります。
勉強すればするほどもしかして私も?と思えてしまう特性がたくさん出てくるので、私自身何かしらの発達障害を持っているのではないかと毎回思います。笑