私の息子は2歳の誕生日を迎える前に自閉症スペクトラムという診断をくだされました。
現在は3歳で保育園と月1回の療育に通っています。
この記事では自閉症スペクトラムと診断される前と後のリアルな気持ちを記録しておきたくてまとめてみました。
Contents
なかなか言葉がでない。もしかして発達障害?
ウチの息子は0歳の頃からよく笑う子で、スマホのアルバムを見返すと仏様のようなニコニコした写真がいっぱいです。
ハイハイと歩き始めも、母子手帳に書いてあるような一般的な時期にできるようになっていました。
1歳半を過ぎたころからおや?という気持ちが芽生えてきたのを覚えています。
私はまだこの頃息子を保育園に入れていませんでした。
家にいてもしゃべり相手もいないし飽きてしまうと思って、友達やおばあちゃんなど他に約束がない日は近所の支援センターに毎日のように遊びに行っていました。
そこには息子と月齢の近い子やまだ息子より若い0歳児子もいて、同じような動きでやり取りをしていてとても可愛かったです。
でも人間なのでみんなそれぞれ個性があり、積み木で遊んでいる子もいれば、滑り台が好きな子もいる。
ママと一瞬離れるだけで大泣きの子もいれば、全然遠くで平気で遊んでいる子もとかもたくさんいて見てて飽きなかったです。
支援センターに遊びに来ているママさんとは段々顔見知りになり、「うちの子こうなのよ~」とか話してくれたりたわいもない会話が私にはとても息抜きになっていました。
家にずーっと引きこもっていたらホント鬱になりかけていたと思います。
ここ1年の子育てのお母さんは緊急事態宣言などの影響でそれを体験しているわけですから、気持ちが落ち込んでしまう前に何か自分なりの息抜き方法を見つけて欲しいです。
支援センターで息抜きができる反面、比べてはいけないとわかっているのですが他の子と息子を比べて不安になり始めてしまうのです。
初めての子育てで次はどういう事をしてあげなくちゃいけないのかな?
と考えると自然とウチの息子はコレはできているのだろうか?
という思考になって月齢の近い子と比べてしまうのです・・・。
息子は1歳を過ぎて歩けるようになった頃から1歳半までで発語は「まんまんま」だけで、しかもママと認識して言っているわけではなくて声を出して遊んでいる感じでした。
他の子は「アンパンマン」とか「イヤ」とか話していてすご~いと思っていました。
ウチの息子も2歳になる頃には何か単語出てくるだろうと気長に毎日過ごしていましたが、中々何も出ず。
言葉が出ていないことを周りの人に相談すると
「男の子は遅いんだよね」
「そのうちバババ~っと爆発したかの様に喋りだす場合もあるから」
「うちの子なんて5歳になるまで喋らなかったよ」
と私が不安にならない様に色々な声をかけてもらったので私もポジティブにとらえて、言葉が出るのはその子のペースがあるんだし、親が焦っても仕方がない。
気長に様子を見て、まずは風邪をひかないで元気に毎日を送ってくれれば100点満点!というモチベーションで過ごしていました。
1歳8ヵ月の時に1歳半検診を迎えました。母子手帳の保護者の記録欄を久々に見てみたら、「ママ・ブーブーなど意味のある言葉を話しますか?」という項目が!
初めて「いいえ」に〇をつけました・・・。
1歳を迎える前までは座る・立つ・ハイハイ・歩くという運動面ばかり気にしていたので、言葉や認識の方はそこまで重要視していなかった自分にココで気が付きました。
そして検診では特に指摘はされず終わったのですが、
「何か気になることはありますか?」という質問に対して
「言葉がまだなにも・・・」という事を伝えたら、
「○○教室という未就園児の子が通えるものがあるから行ってみては?」と教えてもらったので行ってみることに!
そこに月に2,3回程通うことになり3回目辺りで保健師さんに
「○○くん(息子)呼びかけても反応がイマイチだから、一度専門の先生に診てもらった方が良いかもしれない。4月から保育園入るんじゃなお更診てもらった方が良いと思う」
(この時は1歳10か月で1月下旬でした)
と言われたのでさっそく医療機関に連絡をしたら結構早めの二週間後くらいに予約が取れました。
まだ診断をされていないけど○○教室のたくさん子供がいる中で保健師さんがわざわざ言いにくいことを私に言ってくれたという事はそういう可能性が十分にあるという事だ。
「2歳児言葉出ない」と検索すると発達障害という言葉が出てきて更に進むと「自閉症スペクトラム症」が出てきました。
発達障害も自閉症も初めて聞く言葉だったので検索すればする程止まらなくなっていました。
リアルに検索しまくったワード
- 2歳児言葉出ない
- 2歳児言葉の遅れ
- 2歳児言葉の発達
- 2歳児発達障害
- 自閉症スペクトラム症
- 自閉症の特徴
- 障害手帳と療育手帳の違い
- 自閉症将来
- 自閉症結婚
- 自閉症就職
- 自閉症原因
これで全部ではないのですが主に「発達障害」「自閉症の特性」「自閉症の将来」についてひたすら検索してなかなか眠れない日々が続きました。
結局こんなに検索しても診断結果が出ない事には答えは出ません。
と頭ではわかっていても、診断名がついたときにショックが少しでも減るように最悪の事を想像して覚悟をしておこう・・・。
という気持ちとこれだけ調べて心配したけど「心配しすぎですよ」と言ってもらえて、ちょっとマイペースな子だったんだきっと!
と思えるように期待してしまう自分が行ったり来たりしていました。
親にも相談しましたが「気にし過ぎだよ」という言葉しか返ってきませんでした。
確かに診察の結果が出るまではそうとしか言えないよなと今なら思えます。
「なんでうちの子が」
「20人~50人に1人の確率に選ばれてしまった」(自閉症スペクトラム症)
「宝くじは当たらないのに!」
「発達障害…障害ってことは障害者手帳をもらうのかな」
「普通に恋愛したり、就職するのは難しいのかな」
「妊娠中は飲んでないけど妊娠前お酒好きで飲んでいたのがいけなかったのかな」
「不妊治療で排卵誘発剤飲んでたのも関係あるのかな」
「神経質でストレス抱えやすいのが息子にも影響あたえちゃったのかな」
「ごめんね」と頭の中をぐるぐる。
診断結果が出る前は少し情緒不安定になっていて洗濯物を干しながらツーっと涙が勝手に垂れてきたり寝る前布団に入っても涙ポロポロしていました。
昔、失恋して泣いていた自分にそんなの大したショックじゃないからね!って言ってやりたい程凹んでました。笑
やはりそうだったか。
診察始まって約10分程度で
診断名 自閉症スペクトラム症
と診断されました。
「経過観察ですね」と言われるかなと少し期待をしていましたが、早くもあっさり当日に診断されたのでショックではあったのですが、「やっぱりか・・・。」という感じで不思議と落ち着いていました。
診断が出る前はどっちなんだ?というはっきりしていない状況の日が続いていて、考えても仕方なの無い事を永遠と考えたりしてもう私的にも悩み疲れていました。笑
やっと診断がはっきり出て、自分なりに腑に落ちてスッキリした事でこれから何をするべきなのかを考えよう!という様に気持ちが前向きに切替わっていきました。
これから何をするべきなのか
自分の中の子育てに対する考え方が変わったこと
今までは育児本を読んだり、保健師さんのアドバイスを参考に100%とまではいかないけどできるだけ息子の為になる事はしてあげよう!と肩に力が入り過ぎた育児をしていた気がします。
でも息子はロボットでは無く、息子ならではの個性を持って生まれてきた人間。
育児本や保健師さんの意見も1つの情報であるし、こうすればこう動くというのはあくまでも参考に。
「こうしてあげた方がいい」という情報を自分が見て、聞いてやってみるけどそこ子に合っていなかったり自分がやっていてとても負担になるくらいなら別の方法を探せばいいんだと思える様になりました。
↑私は結構めんどくさい性格で、コレがなかなかできていなかったです。
なぜその行動をしたのか考える
以前は、物を投げたり、ぶったり、すぐ走り出したりと困った行動をしたら強く怒鳴ったり叱ってしまっていました。
怒鳴ることは発達障害は関係なく良くない事なのですが、私もいくら注意しても反応が薄く笑っていることもあり止めてくれないし、みんなスーパーで大人しく買い物できているのにウチの子はバナナひとつ買わせてくれない程暴れる。
という事が積み重なってどうしたらいいかわからず結局怒鳴ってしまう事が多かったと思います。
自閉症スペクトラム症と診断されてから息子に対する考え方や対応が少し変わってきました。
物を投げる
- 何か気に食わないことがあったはず。
- 家事やスマホをいじっていて構ってあげられていなかったから気を引こうとしたのでは?
- 今のは遊びで投げているな、これは注意しよう。(もしくは無視)
ぶってくる
- 喋れない代わりに攻撃して何かを訴えているのかな?
- 叩いたときの反応を見て楽しんでいるな、注意しよう。(もしくは無視)
すぐダッシュ
- 広い所を見たら走りたくなるよね。うんうん。と走りたい気持ちに寄り添ってみる。
- 車の通りや走ってはいけない場所では徹底して手を繋ぐ。
- 手を繋いでいられたことをめちゃくちゃ褒める。
という事を心掛けるようになってきました。
もちろんコレもまた100%この状態を維持するのは口で言うのは簡単で、実践すると自分の気持ちにも波があるので気持ちに余裕のないときは結局また怒鳴ってしまう事もあります。
でも困った行動をしている息子の気持ちに寄り添うという事を意識するだけで自分へのストレスも少し前より減った感じがします。
まとめ:息子と一緒に自分も成長できた気がする
ネットでは同じ境遇の人がたくさんいるはずなのに、実際自分の身近は同じ悩みを抱えている人はいなくて孤独感を感じることもあると思います。
でも実際に同じ発達障害の子を持つ知り合いが身近にいても、子供たちそれぞれ成長のスピードは違う事には変わりないし、また境遇がそっくり過ぎても自分の中の嫌な部分が出てきてまた息子とその子を比べてしまう事が怖いです。
なので身近に同じ悩みを持った人がいなくても孤独感を感じる必要はないのです。
発達障害児とか関係なく、育児は自分の心が押しつぶされてしまう前に周りの人達をどんどん頼って一人で抱え込まない事が大事だと思います。
今回は息子の事で散々悩んで、育児に対する気持ちの変化から息子の気持ちに寄り添うという事を意識する様になりました。
これは息子以外でも人の気持ちに寄り添う事で、今まで苦手だった人やムカッとさせることを言ってくる人に対して
「どうしてこの人はこんな事いってくるのだろう?」
とワンクッション置くことで自分が冷静になれて相手の事を以前よりも理解できる事に繋がるのではないでしょうか。
ぜひ気持ちに余裕があったら実践してみて下さい。